矯正治療を開始する最も重要なタイミング
矯正治療には、0期、1期、2期があります。
1期治療とは永久歯と乳歯が混在している混合歯列期に行う治療の
当院の子供の矯正の方針として
- 受け口の場合、5歳から行うことをお勧めしております。
- 出っ歯・叢生(乱くい歯)などの場合は、前歯が4本(永久歯)はえ揃う頃(7歳~9歳)
が矯正を行うタイミングとして最適だと考えております。前歯が2本しかはえていない時に並びが悪くても、治療するタイミングとしては早く、4本揃ってからが治療期間を含め治療が行いやすいです。
受け口の治療は要注意
受け口だけは、早期に治療を開始して、顎の成長を改善していかなければ、骨格の変形を起こしてしまう可能性が高いからです。
5歳から治療を開始すると受け口の症状は約6ヶ月で改善が見られます。受け口は、放置しておくと抜歯矯正での治療になることがほとんどで、さらに悪いケースでは、外科手術を伴う症例になる可能性も高いです。
ですから、受け口の場合は、お子さんが5歳のうちに治療を始めるように親御さんはご検討ください。
受け口の治療方法は
0期治療の場合、装置はムーシールドとなり、夜間のみ1年間ご使用いただきます。ただし、装置を寝ている間に無意識で外してしまうと効果が出ません。お子様自身が治療に協力をしていただけることが重要となります。
1期治療の場合、フェイシャ ルマスクなど下顎の成長を抑制する装置をご使用いただきます。夜間のみご使用いただきます。
遺伝的要因の場合、お子様も受け口になる可能性が高くなります。幼少期から顎の成長をコントロールしながら治療を行っていきます。下顎の成長は体の成長と比例しますので、長期にわたっての治療(2期治療まで)が必要となります。(男の子場合15~17歳・女の子の場合13~15歳)抜歯や外科手術が必要となる場合があります。
出っ歯や叢生(乱ぐい歯)の治療について
出っ歯や叢生(乱ぐい歯)の治療は、7歳~9歳に開始して、大体9歳~10歳で治療を終えるように行います。
つまり小学生(遅くても中学1年生)のうちに治療を終えるように取り組んでおります。お子さんが中学生や高校生になると思春期に入るのでなかなかご家族内でコミュニケーションが取りづらくなることもありますし、高校や大学の受験などもあり、矯正治療を考えにくくなるからです。
治療方法としては
治療を開始して約1年~2年は取り外し可能な装置を夜間だけ装着していただきます。寝る前に必ず装置を装着したまま約10分~15分間咬んでください。症状も3ヶ月~6ヶ月で改善されてきます。
そうすることで学校に行く昼間は装置を付けずに治療することができます。症例によっては、常時装着が必要な装置の調整が必要な症例もあります。その場合もできるだけ短い期間で治療できるようにご提案いたします。
子供の頃に矯正治療を行っておくメリットとして
成長を利用して顎(あご)の改善ができる
歯並びが悪くなる原因には、顎(あご)のずれや大きさ、遺伝、食べ物をよく噛まない習慣、耳鼻科疾患、舌の癖などが考えられます。大人になってから矯正治療することは可能ですが、顎(あご)のずれや大きさは、成長が終わってしまっているので、改善することが困難になります。
子供の頃から0期・1期治療を行うことで、顎(あご)のずれや大きさを矯正していくことができます。
顎(あご)の改善ができるので、抜歯や手術の回避できる可能性が高くなります。
顎(あご)の成長のコントロールができると、永久歯が萌出するスペースを確保でき、耳鼻科疾患の改善につながります。また、0期治療・1期治療が終わった際に、2期治療が必要になった場合でも顎(あご)の手術を行ったり、抜歯をする可能性が少なくなります。
顎(あご)を改善できるので、歯並びと合わせて、フェイスラインがきれいになります。
矯正治療は歯並びだけではなく、顎(あご)の成長をコントロールして治療を行います。 良い歯並び・良い噛み合せになることにより口や顎(あご)周りの筋肉の動きも適切となりフェイスラインがきれいになります。
歯並びが悪くなる原因を特定でき、改善することができます。
歯並びが悪くなっている原因を特定して、耳鼻科疾患であれば耳鼻咽喉科への治療を進め、舌の癖・咬む習慣が原因であれば、改善するための舌及び周辺の筋肉のトレーニングも一緒に行います。そうすることで、子供のうちから歯の健康管理が身につくことになります。
成長期に矯正治療をするメリット
小児矯正(Ⅰ期治療)とは永久歯と乳歯が混在している混合歯列機に行う治療のことです。
歯並びが悪くなる原因には、顎のずれや大きさ、遺伝、食べ物をよく噛まない習慣、耳鼻科疾患、舌の癖などが考えられます。大人になってから矯正治療することは可能ですが、顎のずれや大きさは、成長が終わってしまっているので、改善することが困難になります。
Ⅰ期治療を行うことで、顎の成長のコントロールと永久歯が生えるためのスペースを確保することができ ます。
2期治療が必要になった場合でも顎の手術を行ったり、抜歯をする可能性が少なくなります。不正咬合が原因の顎関節症、齲蝕、歯肉退縮、歯の咬耗、チッピングなどを未然に防ぐこともできます。 拡大床(プレート)、バイオネーター、ヘッドギア、フェイシャルマスクといった装置を使用いたします。
中学生になってからの矯正治療について
中学生になって矯正治療を行う場合は、抜歯矯正になる場合が増えてしまいます。それは、歯が全部はえそろい(もしくは奥歯がはえてきてしまっている)、ある程度あごの成長も止まってしまっているので、でこぼこになった歯を動かすスペースが無いためです。
当院ではそれでもできるだけ抜歯を行わなくてすむように取り組んでおります。
親御さんにお願いしたいのは、子供の歯並びが気になった際は必ず診断を受けるようにしてください。当院では、受け口は5歳、他の症例は7歳~9歳が最適な治療タイミングだと考えております。矯正治療はいつスタートしても総額の治療費は変わりません。子供の治療だけで治ってしまえば、費用も抑えることができます。大人になって抜歯の必要がある矯正治療にならないためにも子供の歯並びに注意してあげてください。